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ごめんね
作詞:つんく 作曲:マシコタツロウ プロデュース/アレンジ:斎藤誠
今年に入ってから強いラブコールがあった。
「ぜひ、岸の作品を手伝ってほしい」と。
プロデュースに限らず、詞曲を提供してほしい、彼に何かを学ばせたいというのだ。
とはいえ、僕も岸君のことを詳しくわかっていなかったので、いくつかの作品を見せてもらった。
背も高く、イケメンでしかも歌も上手い。
で、普段は自分ででも作品を作ったりする多才な奴だという。
同じ男としてもジェラシーを感じる程、何もかも揃ってる奴やん。そう思った。
彼の制作チームはこう話した。
「岸にシングルベッドのような歌詞の世界を歌わせたいんです」と。
なるほど、とてもよくわかる。
(イケメンが幸せな歌を歌っても説得力にかけるとか?笑)
僕としてもイケメンからこうやってラブコールを受け、テーマもはっきりしてる仕事を断るすべもなく。「わかりました。ただシングルベッドといっても25年も前の話。今の時代の中で20代の若い好青年がどんな歌を歌うのか、少し考えさせてください。そして僕も歌詞に集中したいので、僕がまだ仕事したことのない作曲家とのコラボを希望します。」とこう答えた。
そんな中で紹介してもらったのが、マシコタツロウ氏です。
いろんなジャンルの曲を作る凄腕作家。
彼からのこの曲を受け取り、作詞作業に入りました。
僕らの仕事ってテーマや的が絞られてる方が実はやりやすいものなんです。
「テーマはなんでもいいので、売れそうな奴を」みたいな発注が一番難しいんです。
今回は僕にとっても大きなテーマとなる「シングルベッド」というキーワード。
引き受けたものの中々の壁を感じました。
締め切りも迫って今の僕の一番の仕事スペースとも言える移動の飛行機のシートの上で書き上げることにしました。限られた時間の中で自由に動き回れない限られたスペース。
この条件が絞られてる中での作家活動って意外と効率よくペンが運びます。
それまでにも何度も聞いてあったのでイメージは浮かんでいました。
イケメンであってもブスメンであっても、男の意地もあれば、ナイーブな面もあり、ただ弱気なメンズもいるでしょう。
確かにモテるけど自分の(好みの)タイプの子とはどうもうまく行かないってメンズもね。
燃えるような恋をして、自分がウワテだと思ってたのに、いつのまにか相手のペースになっていて。いざ別れ話が出た時に「やだ!別れたくない!」って縋りつけない、「かっこいい」の「勘違い野郎」。
そんなあたりをテーマにしぼりこんで書き上げました。
なので、歌詞の中の主人公は自分の気持ちの中で相反する(矛盾する)事を沢山します。
冒頭から「ごめんね」って謝りつつすぐ「俺、謝れない」って言う。口だけごめんって言ってほしいんだったらいうけどね。と、また無駄な理屈を言う。素直に謝りゃいいのに。素直に泣きつきゃいいのに。
サビでも愛してるって散々心でつぶやきつつ、それを相手に伝えられないやわな男の変な意地。
きっと友人とかには「あいつのことはもう忘れたわ。どっかにいい子いない?」なんて突っ張ってるくせに。休みになればその子が行きそうな店あたりをなんとなくうろちょろして探してるみたいな。
で、間奏後の最後のサビの前では、結局「ごめんね」と繰り返す。
「もう遅いわ!」って突っ込まれる事間違いなしのタイミングで。
このしみったれた感。
令和の「シングルベッド」感、出せたんじゃないでしょうか。
岸君の成功をいのりつつ、マシコ氏とのコラボがとても楽しかった事をここに報告させていただきます。
Thank you!
{{Credits Part |original=ごめんね
作詞:つんく 作曲:マシコタツロウ プロデュース/アレンジ:斎藤誠}} {{Tsunku Comment |original=今年に入ってから強いラブコールがあった。
「ぜひ、岸の作品を手伝ってほしい」と。
プロデュースに限らず、詞曲を提供してほしい、彼に何かを学ばせたいというのだ。
とはいえ、僕も岸君のことを詳しくわかっていなかったので、いくつかの作品を見せてもらった。
背も高く、イケメンでしかも歌も上手い。
で、普段は自分ででも作品を作ったりする多才な奴だという。
同じ男としてもジェラシーを感じる程、何もかも揃ってる奴やん。そう思った。
彼の制作チームはこう話した。
「岸にシングルベッドのような歌詞の世界を歌わせたいんです」と。
なるほど、とてもよくわかる。
(イケメンが幸せな歌を歌っても説得力にかけるとか?笑)
僕としてもイケメンからこうやってラブコールを受け、テーマもはっきりしてる仕事を断るすべもなく。「わかりました。ただシングルベッドといっても25年も前の話。今の時代の中で20代の若い好青年がどんな歌を歌うのか、少し考えさせてください。そして僕も歌詞に集中したいので、僕がまだ仕事したことのない作曲家とのコラボを希望します。」とこう答えた。
そんな中で紹介してもらったのが、マシコタツロウ氏です。
いろんなジャンルの曲を作る凄腕作家。
彼からのこの曲を受け取り、作詞作業に入りました。
僕らの仕事ってテーマや的が絞られてる方が実はやりやすいものなんです。
「テーマはなんでもいいので、売れそうな奴を」みたいな発注が一番難しいんです。
今回は僕にとっても大きなテーマとなる「シングルベッド」というキーワード。
引き受けたものの中々の壁を感じました。
締め切りも迫って今の僕の一番の仕事スペースとも言える移動の飛行機のシートの上で書き上げることにしました。限られた時間の中で自由に動き回れない限られたスペース。
この条件が絞られてる中での作家活動って意外と効率よくペンが運びます。
それまでにも何度も聞いてあったのでイメージは浮かんでいました。
イケメンであってもブスメンであっても、男の意地もあれば、ナイーブな面もあり、ただ弱気なメンズもいるでしょう。
確かにモテるけど自分の(好みの)タイプの子とはどうもうまく行かないってメンズもね。
燃えるような恋をして、自分がウワテだと思ってたのに、いつのまにか相手のペースになっていて。いざ別れ話が出た時に「やだ!別れたくない!」って縋りつけない、「かっこいい」の「勘違い野郎」。
そんなあたりをテーマにしぼりこんで書き上げました。
なので、歌詞の中の主人公は自分の気持ちの中で相反する(矛盾する)事を沢山します。
冒頭から「ごめんね」って謝りつつすぐ「俺、謝れない」って言う。口だけごめんって言ってほしいんだったらいうけどね。と、また無駄な理屈を言う。素直に謝りゃいいのに。素直に泣きつきゃいいのに。
サビでも愛してるって散々心でつぶやきつつ、それを相手に伝えられないやわな男の変な意地。
きっと友人とかには「あいつのことはもう忘れたわ。どっかにいい子いない?」なんて突っ張ってるくせに。休みになればその子が行きそうな店あたりをなんとなくうろちょろして探してるみたいな。
で、間奏後の最後のサビの前では、結局「ごめんね」と繰り返す。
「もう遅いわ!」って突っ込まれる事間違いなしのタイミングで。
このしみったれた感。
令和の「シングルベッド」感、出せたんじゃないでしょうか。
岸君の成功をいのりつつ、マシコ氏とのコラボがとても楽しかった事をここに報告させていただきます。
Thank you!
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