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M-1. 未来へ
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:鈴木俊介
僕は小学生の頃、エレクトーンとピアノを少しだけかじった。
それは、小学生の少年にとっては面倒臭い習い事でしかなく、当然続かない。
そんなことをすっかり忘れ、中学生の時にギターとロックに出会う。
中学三年の学園祭の時、三人組でステージに立ったのをきっかけに高校、大学とバンドマンとなった。
その、大学生の頃、もっと作曲とか音楽のことを詳しくなりたい!と思い、今度は自分のお小遣いでピアノを習い始めた。
世の中はすっかりバンドブーム。
大阪に住んでいた僕は、世の中に出遅れた気になって日々ジレンマを感じていた。 ただ、そんなバンドブームの中で異色の風格で人気を博していたのがTMネットワークだった。すかさずアルバムをチェックした。僕は「ズルい!」そう思った。オシャレさとポップさとキュートさと、で、それらをまとめてクールにした感じが、大阪人の僕らにとってはあり得ない表現だったのだ。男の僕でもなんか胸にキュンとくる、この感じ。やっぱズルい。
僕はピアノを習うのをやめた。
それから30年。(早っ) それまでにも、宇都宮さんとはツアー先や番組なんかで、何度か接点はあったものの、こうやってお仕事させていただくのは実は初めて。今回じっくりミーティングをさせていただく時もすごく緊張しました。宇都宮さんはとってもソフトに。そう、僕が緊張しないようにしないように気をつかってくださっているのもよくわかる。
思えば僕より一回りも先輩とこうやってミーティングしている自分にも不思議に感じるが、やっぱ歴史を刻み、酸いも甘いも乗り越えてこられた人生の艶も感じられる。まさにいぶし銀だ。
「ああ、やっぱすげぇな。貫禄だ。」 そう感じた気持ちを胸に、僕は曲作りに入った。 完成。 宇都宮さんはそれを聞いてどう思ったのか。どうやってレコーディングをしたのか。経過はわからなかった。気に入ってるのかどうかさえもわからないまま。
そして、トラックダウンの終わった完全版が僕の元に届いた。僕は音量を大きめにして机の前に座ってそれを聞いた。イントロは当然僕が仕上げたバックトラックなので、雰囲気は分かっている。イントロが終わって、宇都宮さんの声が流れてきた。
僕は背中がゾクっとし、そして全身に鳥肌がたった。あの打ち合わせをした時にあった僕よりひとまわり上の大先輩はどこに行ったのだ!? 聞こえてくるのは、あの大学生の時に聞いたあのオシャレさとポップさとキュートさまとめてクールに仕上げた声が聞こえてくるじゃないか!!
なんだこれ!ズルい!
ライブでファンの皆さんと手を振りながらフィナーレを迎えるイメージとか、大先輩が自分の若かった時を振り返ってとか、そんなことを考えていたが。いや違う。僕が大学生の頃に聞いた、あの感じ。あの感じは宇都宮さんの声が持つ色気から発せられていたのだと確信した。
ありがとうございました。
自分で作った曲にこんなに驚かせていただき、ただただ感謝するばかりです。
未来あるのみです! ねっ!
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作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:鈴木俊介
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それは、小学生の少年にとっては面倒臭い習い事でしかなく、当然続かない。
そんなことをすっかり忘れ、中学生の時にギターとロックに出会う。
中学三年の学園祭の時、三人組でステージに立ったのをきっかけに高校、大学とバンドマンとなった。
その、大学生の頃、もっと作曲とか音楽のことを詳しくなりたい!と思い、今度は自分のお小遣いでピアノを習い始めた。
世の中はすっかりバンドブーム。
大阪に住んでいた僕は、世の中に出遅れた気になって日々ジレンマを感じていた。 ただ、そんなバンドブームの中で異色の風格で人気を博していたのがTMネットワークだった。すかさずアルバムをチェックした。僕は「ズルい!」そう思った。オシャレさとポップさとキュートさと、で、それらをまとめてクールにした感じが、大阪人の僕らにとってはあり得ない表現だったのだ。男の僕でもなんか胸にキュンとくる、この感じ。やっぱズルい。
僕はピアノを習うのをやめた。
それから30年。(早っ) それまでにも、宇都宮さんとはツアー先や番組なんかで、何度か接点はあったものの、こうやってお仕事させていただくのは実は初めて。今回じっくりミーティングをさせていただく時もすごく緊張しました。宇都宮さんはとってもソフトに。そう、僕が緊張しないようにしないように気をつかってくださっているのもよくわかる。
思えば僕より一回りも先輩とこうやってミーティングしている自分にも不思議に感じるが、やっぱ歴史を刻み、酸いも甘いも乗り越えてこられた人生の艶も感じられる。まさにいぶし銀だ。
「ああ、やっぱすげぇな。貫禄だ。」 そう感じた気持ちを胸に、僕は曲作りに入った。 完成。 宇都宮さんはそれを聞いてどう思ったのか。どうやってレコーディングをしたのか。経過はわからなかった。気に入ってるのかどうかさえもわからないまま。
そして、トラックダウンの終わった完全版が僕の元に届いた。僕は音量を大きめにして机の前に座ってそれを聞いた。イントロは当然僕が仕上げたバックトラックなので、雰囲気は分かっている。イントロが終わって、宇都宮さんの声が流れてきた。
僕は背中がゾクっとし、そして全身に鳥肌がたった。あの打ち合わせをした時にあった僕よりひとまわり上の大先輩はどこに行ったのだ!? 聞こえてくるのは、あの大学生の時に聞いたあのオシャレさとポップさとキュートさまとめてクールに仕上げた声が聞こえてくるじゃないか!!
なんだこれ!ズルい!
ライブでファンの皆さんと手を振りながらフィナーレを迎えるイメージとか、大先輩が自分の若かった時を振り返ってとか、そんなことを考えていたが。いや違う。僕が大学生の頃に聞いた、あの感じ。あの感じは宇都宮さんの声が持つ色気から発せられていたのだと確信した。
ありがとうございました。
自分で作った曲にこんなに驚かせていただき、ただただ感謝するばかりです。
未来あるのみです! ねっ!
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